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image  DNA Analysis : 確認 (PCR)
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PCR 用の DNA ポリメラーゼには大きく 2 つのタイプ、アーキア由来の正確性ポリメラーゼとThermus (バクテリア) 由来の汎用性 Taq DNA ポリメラーゼがある。ここでは後者の汎用性 Taq ポリメラーゼに分類される NEB の OneTaq DNA ポリメラーゼを紹介をする。

 

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OneTaq DNA Polymerase : 汎用 PCR の新スタンダード
  Taq DNA ポリメラーゼをさらに使いやすくするため、Taq にアーキアタイプの PCR 酵素:Deep Vent DNA Polymerase をブレンドすることで、増幅力と正確性を向上した PCR 酵素である。Taq 自体が正確性が高くなく、GC/TA リッチ領域の増幅と長い領域の増幅が不得意であるが、それを補う性能を有している。 さらに Taq とほぼ同じ酵素特性を有するともに、ランニングコストも低いため、Taq の上位互換酵素として使用できる。
   
  OneTaq の特徴:
  ・Deep Vent DNA Polymerase とのブレンド酵素
  ・GC リッチ領域を力強く増幅
  ・正確性は Taq の 2 倍
  ・最大増幅サイズはテンプレートと領域に依存 (ゲノムの場合は約 6 kb)
  ・主な産物は 3'A 末端
  ・¥ 11.2~ / rxn (25 ul vol) 
   
  主なアプリケーション:
  ・コロニー PCR
  ・T/A クローニング用インサートの PCR
  クルードサンプルの PCR
  ジェノタイピングなどのルーチン PCR
   
  OneTaq と同等 PCR 酵素の比較
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  ヒトゲノム DNA の 55 % 以上の各領域を各社 Taq もしくは Taq ベースの PCR 酵素で増幅した。増幅収量をドットサイズ (丸が大きいほど収量が高い)、特異性を色 (濃い緑色が特異性が高い) で示す。各社酵素の推奨条件で実施、Perkin Elmer LabChip® で PCR 産物を解析した。
   
 
OneTaq マスターミックス : テンプレートとプライマーを混ぜるだけ
  OneTaq にはマスターミックス仕様も提供している。標準用 (~65 % GC 含量) と GC リッチ用 (>65 %) があり、テンプレートとプライマーを入れるだけで簡単にセットアップができる。
   
 
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標準用マスターミックス (NEB #M0482、左) と GC リッチ用マスターミックス (NEB #M0484、右) を用いて様々な GC 含量のテンプレートを増幅した。テンプレートはヒトあるいは線虫ゲノムを使用。レーン M は 1 kb DNA Ladder (NEB #N3232)。
   
   
OneTaq Quick-Load DNA Polymerase:PCR 後にすぐに電気泳動
 

アガロース電気泳動用の色素が含まれた Quick-Load 仕様もある。PCR 後のローディングダイの添加は不要、そのままゲルにアプライできるため、特にコロニー PCR にお薦めである。色素が PCR に影響をすることはない。

   
 

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各社のクイックロード仕様酵素を用いて、ヒトあるいはウイルス DNA を PCR した。棒グラフは増幅収量 (左 Y 軸)、円は純度 (右 Y 軸) を示す。推奨条件にて 30 サイクルで PCR (n=3)、マイクロ流路にて測定。

   
   

OneTaq HotStart DNA Polymerase:アプタマーベースのホットスタート

  OneTaq の各仕様にはホットスタート版もある。45 ℃ 未満でポリメラーゼ活性を抑制する。抗体ではなくアプタマーを使用しているため、活性化ステップも必要なく、PCR サイクルの再設定も必要ない。
  特集記事 (英語):sing aptamers to control enzyme activities: Hot Start Taq and beyond

 

 

 

 

技術資料&オンラインツール
image PCR Reagents (冊子、英語)
image アプリケーションノート:OneTaq によるコロニー PCR
image PCR 産物の直接切断 (PCR バッファー中における制限酵素活性)
image Tm Calculator : Tm 値とアニーリング温度を計算
image PCR Fidelity Estimator : PCR 酵素とサイクル数に応じた正確性 (エラー導入頻度) を推定

 

 

 

 

製品リスト image
【スタンダード】
 ・ OneTaq DNA Polymerase (NEB #M0480)
  - 標準となる OneTaq DNA ポリメラーゼ。酵素と バッファー、高 GC 増幅用エンハンサーが付属
   
 ・ OneTaq Hot Start DNA Polymerase (NEB #M0481)
  - 標準酵素のホットスタート仕様。非特異的増幅の抑制に効果的、室温でのセットアップも可能。酵素と バッファー、高 GC 増幅用エンハンサーが付属
   
 ・ OneTaq Quick-Load DNA Polymerase (NEB #M0509)
  - 酵素と バッファー、高 GC 増幅用エンハンサーが付属。バッファー中に電気泳動用色素 (Xylene Cyanol FF & Tartrazine) がプレミックス。
   
【マスターミックス】
 ・ OneTaq 2X Master Mix with Standard Buffer (NEB #M0482)
  - OneTaq マスターミックス。テンプレートとプライマーを入れるだけで PCR が可能 (一般用)
   
 ・ OneTaq Hot Start 2X Master Mix with Standard Buffer (NEB #M0484)
  - ホットスタート仕様の OneTaq マスターミックス (一般用)
   
 ・ OneTaq Hot Start 2X Master Mix with GC Buffer (NEB #M0485)
  ホットスタート仕様の OneTaq マスターミックス (GC リッチ用)
   
【Quick-Load マスターミックス】コロニー PCR におすすめ!
 ・ OneTaq Quick-Load 2X Master Mix with Standard Buffer (NEB #M0486)
 

- OneTaq マスターミックス。テンプレートとプライマーを入れるだけで PCR が可能 (一般用)。ダイもプレミックスされているため、PCR 後はすぐに電気泳動ゲルにアプライ可能。

   
 ・ OneTaq Hot Start Quick-Load 2X Master Mix with Standard Buffer (NEB #M0488)
  - ホットスタート仕様のOneTaq マスターミックス。テンプレートとプライマーを入れるだけで PCR が可能 (一般用)。ダイもプレミックスされているため、PCR 後はすぐに電気泳動ゲルにアプライ可能。



PCR テクニカルガイド image  
クローニングテクニカルガイド image  


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