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NEBNext RNA Depletion Core Reagent Set

NEBNext RNA Depletion Core Reagent Setカタログ番号:E7865

カタログ番号

サイズ

濃度

価格

保存温度

E7865S 6 rxns ¥37,000 -20C
E7865L 24 rxns ¥135,000 -20C
E7865X 96 rxns ¥486,000 -20C

製品カテゴリ>グループ

  • NEBNext次世代シーケンサー用ライブラリー調製試薬>前処理試薬

特徴

カスタム RNA 除去キット


一般的にトータル RNA 中にはリボソーム RNA が大量に存在する。これをそのままシーケンスした場合、低発現の重要遺伝子が検出されなかったり、シーケンスコストが高くなる。したがって RNA シーケンスにおいては、ライブラリー調製の前処理で rRNA を除去することが望ましい。しかしながら生物種によって rRNA の配列が異なるため、ヒト/マウス/ラット以外の生物においては市販の除去キットが使用できないことが多い。


そこで NEB は自分で自由に対象の rRNA を除去できるカスタム rRNA 除去キットを開発した。除去したい rRNA の配列に基づいて複数の約 50 ntの 1 本鎖 DNA プローブを設計して合成、この合成プローブ・プールを対象の rRNA にハイブリダイズさせて RNase H で分解する。除去プローブはオンラインの NEBNext Custom RNA Depletion Design Tool を使用して簡単に設計できる。


また、除去できる RNA は rRNA に限らず、解析に必要がない アバンダントな mRNA も除去可能である。

 

 

特長:

・生物種を問わず rRNA を除去

・rRNA 以外の RNA も除去可能

・除去プローブのデザインツールを公開(NEBNext Custom RNA Depletion Design Tool

・10 ng - 1 µg のトータル RNA から 対象 RNA 除去してライブラリー調製

・インタクトな RNA(RIN>7)だけではなく、分解が進んだRNA(RIN<7)からも除去可能

 

 

除去原理(図4参照):

対象 RNA に 1 本鎖 DNA プローブがハイブリダイズ、RNase H により DNA-RNA 中の RNA だけが分解される。対象 RNA 以外の RNA にはプローブがハイブリダイズしないため、これは分解されない。残った 1 本鎖 DNA プローブを DNase I で分解、最後に RNA 精製ビーズで精製して除去が完了する。

 

 

ワークフロー:

ステップ1:NEBNext Custom RNA Depletion Design Tool に除去対象の RNA 配列を FASTA 形式で入力してプローブを設計する。複数の RNA を除去する場合、FASTA形式で複数の配列を入力する。ページ末尾の「プローブ設計のガイドライン」も参照する。

ステップ2:オリゴ合成会社に 1 本鎖 DNA オリゴを依頼する。この時、Mixture として合成することが良い。

ステップ3:合成プローブと本製品を用いて RNA 除去をする。

ステップ4(オプション、推奨):除去対象 RNA に特異的なプライマーを用いて、RT-qPCR で除去効率を検証する。

ステップ5:RNA ライブラリー調製を行う

 

 

留意点:

・RNA 除去効率はプローブの設計に依存する。リボソーム RNA を除去する場合、設計時に複数の rRNA 配列を入力するとよい(図1、レジェンド参照)。

・除去プローブは別途準備する必要がある(オリゴ合成会社に依頼)。

・ライブラリー調製には、本キットの他に NEBNext Ultra II (Directional) RNA Library Prepアダプター/インデックスキットが必要である。

 

 

図1:NEBNext カスタム RNA 除去キットは、様々な生物種の様々な RNA を除去可能

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RNA 除去プローブ設計ツールを用いて、Aedes aegypti(ネッタイシマカ、28S、18S、5.8S、5S、mt16S、および mt12S)、Thermococcus kodakarensis(アーキア、23S、16S、5SrRNA1、5SrRNA2)および Pyrococcus furiosus(アーキア、23S、16S、5SrRNA1、5SrRNA2)に対するプローブを設計した。これら合成プローブと RNA Depletion Core Reagent Set を使用して、トータル RNA(1 µg、100 ng、または10 ng)から RNA 除去をおこなった。イルミナ用の NEBNext Ultra II Directional RNA Library Prep Kit(#E7760)でライブラリー調製、ペアエンドシーケンス(2 x 75 bp)をおこなった(N=3)。 各ライブラリーから 2,000 万リードを取得(seqtk)、mirabait(6 つ以上の共有 25-mer)で対象 RNA リードを検出、対象 RNA 残存率(ここでは rRNA 残存率)は、クオリティフィルタリング後のトータルリードに対する対象 RNA リード数の割合として求めた。結果、いずれの種とインプット RNA 量においても高効率で対象 RNA が除去されていることが示された。

 

 

図2:対象 RNA を特異的に除去、非対象 RNA の発現レベルへの影響なく発現定量解析が可能

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RNA 除去プローブ設計ツールを用いて、Aedes aegypti(ネッタイシマカ)に対するプローブを設計した。 ネッタイシマカ成虫(Benzon Research)からMonarch Total RNA Miniprep Kit(NEB#T2010S)でトータル RNA を抽出し、インプット RNA とした。合成プローブを NEBNext RNA Depletion Core Reagent Set を使用して、インプット RNA(100 ng および 10 ng)から対象 rRNA (28S、18S、5.8S、5S、mt16S、および mt12S)を除去、イルミナ用の NEBNext Ultra II Directional RNA Library Prep Kit(#E7760)でライブラリー調製、ペアエンドシーケンス(2 x 75 bp)をおこなった。除去ライブラリーから 2,000 万リード、非除去ライブラリーから 2 億リードを取得した(seqtk)。Vectorbase(AaegL5.2 assembly)に登録されている転写産物データセットを使用して、Salmon で転写産物を定量した。結果、リードカウントと R2 値が直線性であったことから、対象 RNA だけが特異的に除去されたことが示された。

 

A)非除去/除去ライブラリーにおける転写産物のプロット。非特異的除去がなく、発現定量解析に影響がないことが示唆された。

B)Replicate とインプット RNA量 で相関を維持している。

 

 

図3:既存の rRNA 除去キットと併用して使用可能

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NEBNext カスタム RNA 除去ツールを使用して、ヒトミトコンドリア RNA に対するプローブを設計した。 合成したプローブと NEBNext rRNA Depletion Kit v2(Human / Mouse / Rat)のプローブをプールして除去プローブとした。このプローブ・プールを使用して、1 μg のヒト・トータル RNA(Universal Human Reference RNA、Agilent)から mtRNA と rRNA を除去した。続いてイルミナ用 NEBNext Ultra II Directional RNA Library Prep Kit を用いて RNA ライブラリーを調製、ペアエンドシーケンス(2 x 75 bp)をおこなった。 各ライブラリから 2,000 万リードを取得した(seqtk)。


A) mirabait(6  つ以上の共有 25-mer)で mtRNA と rRNA を検出、これらの残存率をクオリティフィルタリング後のトータルリードに対する対象 RNA リード数の割合として求めた。結果、mtRNA と rRNA が高効率で除去されていることが示された。

B) Integrative Genome Viewer (IGV)でヒト mtRNA 遺伝子のカバレッジを視覚化した。

 

 

図4:カスタムRNA除去ワークフロー

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別途必要な試薬等

・精製用ビーズ:Agencourt® RNAClean® XP (Beckman Coulter, Inc., Cat. #A63987)の使用を推奨

(または RNA 精製ビーズ付 カスタム RNA 除去キット

マグネティックラック

・エタノール

・ライブラリー調製キット

・アダプターオリゴ など

キット内容

・NEBNext DNase I

・NEBNext Thermostable RNase H

・RNase H Reaction Buffer

・DNase I Reaction Buffer

・Nuclease-free Water

・NEBNext Probe Hybridization Buffer

 

* RNA 精製ビーズは含まれていません。

* プローブはご自身で設計、合成してください。

プローブ設計のガイドライン

カスタム RNA 除去には専用のプローブが必要である。これは約 50 nt の 1 本鎖 DNA オリゴヌクレオチドである。除去対象 RNA にハイブリダイズした後、RNA-DN A中の RNAが  RNase H により分解される。効率的な RNA 除去にはプローブ設計が重要であるが、ここではプローブ設計ツールの使用方法を紹介する。


1)カスタムRNA除去プローブ設計ツールにアクセスする

NEBNext Custom RNA Depletion Design Tool

https://depletion-design.neb.com/


2)「Target name」と「Email」を入力する。

設計後、プローブの配列が画面に表示、ならびにメールで送信される。


3)除去対象 RNA の配列を入力する。

FASTA 形式にて、RNA 配列を 5’ → 3’ 方向にて入力する(例 1)。DNA 配列ではなく RNA 配列を入力すること、その際に A、T、G、C だけを使うことに注意する。複数の配列の入力も可能である。以下は一例である。16S ribosomal “RNA”として登録されている場合、この配列をそのまま使用できる。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NR_112305.1?report=fasta


例1:除去対象RNAの配列入力例

>MT-ATP8-201_ENSE00001435286|protein_coding

ATGCCCCAACTAAATACTACCGTATGGCCCACCATAATTACCCCCATACTCCTTACACTATTCCTCATCACCCAACTAA AAATATTAAACACAAACTACCACCTACCTCCCTCACCAAAGCCCATAAAAATAAAAAATTATAACAAACCCTGAGAA CCAA AATGAACGAAAATCTGTTCGCTTCATTCATTGCCCCCACAATCCTAG

 

4)設計プローブを確認する。

画面に表示、ならびにメールで送信される。


例2:設計プローブ例(図1の MT-ATP8-201 に対するプローブ)

MT-ATP8-201_ENSE00001435:4-44 GGGTAATTATGGTGGGCCATACGGTAGTATTTAGTTGGGG

MT-ATP8-201_ENSE00001435:42-82 TTTTAGTTGGGTGATGAGGAATAGTGTAAGGAGTATGGGG

MT-ATP8-201_ENSE00001435:79-129 TTTATGGGCTTTGGTGAGGGAGGTAGGTGGTAGTTTGTGTTTAATATTTT

MT-ATP8-201_ENSE00001435:109-160 TGGTTCTCAGGGTTTGTTATAATTTTTTATTTTTATGGGCTTTGGTGAGGG 

MT-ATP8-201_ENSE00001435:149-181 GAATGAAGCGAACAGATTTTCGTTCATTTTGGTTCTCAGG


5)設計したプローブの特異性を確認する

本ツールは、入力された RNA 配列だけに基づいてプローブを設計する。設計されたプローブと他の RNA との相同性は加味されていない。除去対象 RNA と配列相同性を有する非対象 RNA があった場合、これも除去される可能性がある。そのため、設計したプローブの配列と、解析対象の発現遺伝子の配列の相同性を確認することを推奨する。確認には標準的な配列相同性検索ツール(NCBI BLAST、Bowtie2など)が使用できる。なお約 70 % 以上の相同性を持つ転写産物は除去されることを実験にて確認している。ただしサンプル内のすべての相同部位の相対的な存在量によっても影響を受ける。


6)プローブを合成/注文する。

DNA プローブは、一般的なオリゴ合成受託会社に注文できる。

・合成グレード:標準的な脱塩オリゴ精製で十分である

・修飾:5´ または 3´ 末端の修飾は必要ない

・濃度:1 つのプローブにつき 2 uM。等モルプローブプールとして合成する*。

・量:サンプル数から決定する。1 反応あたり 2 ul のプローブプールを使用する。


*プローブはプールではなく、個別に注文してプールすることもできる。以下に注意点を記す。


・プールではなく個別に注文する場合、10 mM Tris、0.1 mM EDTA、pH 7.5 で特定の濃度(µM)に溶解したプローブを依頼するとよい。例えば 200 プローブのプールを作成する場合、最終的に 2 µM の等モルプールを作成するために、プローブがそれぞれ少なくとも 400 µM である必要がある。この際、100 nmol の合成スケールで、400 µM で 60 µl のプローブが生成される。


・凍結乾燥プローブも使用できる。この場合、チューブ/プレートをスピンダウンしてから、10 mM Tris、0.1 mM EDTA、pH7.5 に懸濁する。プローブが完全に懸濁されていることを確認する。


・クロスコンタミネーションを防ぐために、PCR フード/キャビネット内でプローブをプールするとよい。プールする前に、プレート/チューブのウェルを目視確認して、材料が存在することを確認する。


・各プローブを最終濃度 2µM で等モルプールを準備する。マニュアルに従って、NEBNext RNA Depletion Core Reagent Set でカスタムプールを使用する。場合によっては、対象 RNA を効率的に除去するため、プローブ量を最適化する必要がある。


・カスタムプールと以下の NEBNext rRNA Depletion Kit を組み合わせることも可能である。詳細はマニュアルを参照。

   - NEBNext rRNA Depletion Kit v2 (Human/Mouse/Rat), (NEB #E7400, #E7405)

   - NEBNext rRNA Depletion Kit (Bacteria), (NEB #E7850, #E7860)

   - NEBNext Globin and rRNA Depletion Kit (Human/Mouse/Rat), (NEB #E7750, #E7755)