Monarch HMW DNA Extraction Kit for Cells & Blood
カタログ番号 |
サイズ |
濃度 |
価格 |
保存温度 |
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T3050S | 5 preps | ¥12,600 | 室温 | |
T3050L | 50 preps | ¥72,000 | 室温 |
製品カテゴリ>グループ
- 核酸精製キット>ゲノムDNA精製
備考
- 備考:一部試薬では、開封後、4C/-20Cでの保管が必要
特徴
高分子ゲノム DNA 精製キット(細胞、血液用) | 組織、酵母、バクテリア用キットも販売中 |
特長 |
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・培養細胞、血液からゲノム DNA を精製 | ![]() |
・メガベース(Mb)の DNA を単離可能 | |
・溶解中の攪拌速度を調整するだけで DNA サイズを調整 | |
・簡単・迅速(細胞:30 分、血液:60 分) | |
・高純度でインタクトな DNA を高収量で精製 | |
・RNA も高効率で除去 | |
・RNase A と Proteinase K が付属 | 特殊なガラスビーズで精製 |
・ロングリード・シーケンスのインプット DNA 調製に最適 | |
サンプルリクエスト受付中 |
The Monarch HMW DNA Extraction Kit for Cells & Blood は、培養細胞と血液から高分子(High Molecular Weight、HMW)のインタクトなゲノム DNA を精製するためのキットである。
プロトコールが最適化されており、Proteinase K で消化、続いてタンパク質除去ステップとガラスビーズ表面へのDNA沈殿をおこなう。これにより標準プロトコールでは 50-250 kbの DNA、攪拌速度を低くすることで Mb レベルの DNA を精製できる。Lysis Buffer には RNase A が含まれているため RNA がほぼ完全に除去されており、高純度、高収率、短時間でゲノム DNA を精製できる(細胞:30 分、血液:60 分)。標準的な精製度は以下のとおり。
・A260/280 = 1.8 - 1.9
・A260/230 = 2.2 - 2.5
本キットで精製した HMW DNA は、ロングリード・シーケンシング(Oxford Nanopore Technologies®およびPacific Biosciences®)、光学マッピング(Bionano Genomics®)、リンクリードゲノムアセンブリなど、より長いサイズのゲノムを必要とするアプリケーションに適している。
表 1、検証済みサンプル * | |||
細胞 | 血液(哺乳類)** | 血液(無核)** | |
HEK293 | ヒト | ニワトリ | |
HeLa | マウス | シチメンチョウ | |
NIH3T3 | ラット | ||
Jurkat | ウサギ | ||
K562 (suspension cells) | ブタ | ||
HCT116 | ウマ | ||
A549 | ウシ | ||
U5Os | アカゲザル | ||
HepG2 | ヤギ | ||
NCI-460 | |||
SK-N-SH | |||
Aa23 | 収量データ詳細 | ||
* 新鮮(未凍結)なサンプルと凍結サンプルのそれぞれで検証 | |||
** 一般的な抗凝固剤を併用可能 |
図 1、培養細胞からのゲノム DNA 精製ワークフロー
1、溶解:細胞を Nuclei Prep Buffer に懸濁(RNase A 含む)、Proteinase K と Lysis Buffer を添加して 56 ℃ で 10 分間、攪拌する。
2、凝集:ビーズ等を加えてゲノム DNA を凝集、ビーズ上に補足する
3、洗浄:Wash Buffer で 2 回洗浄する
4、溶解:Elution Buffer を加えて 56 ℃、5 分間で溶解する
5、溶出:遠心して溶出する
図 2、血液からのゲノム DNA 精製ワークフロー
1、溶血:全血に対して 3 倍量の Lysis Buffer を加え、氷上でインキュベートした後、遠心する
2、洗浄( 1 回目):上清を破棄して、再度 Lysis Buffer を加えて遠心する
3、洗浄( 2 回目):上清を破棄して、PBS を加えて遠心する
4、溶解:上清を破棄して、Nuclei Prep Buffer を添加(Proteinase K と RNase A 含む)、56 ℃ で 10 分間、攪拌する
5、凝集:ビーズ等を加えてゲノム DNA を凝集、ビーズ上に補足する
6、洗浄:Wash Buffer で 2 回洗浄する
7、溶解:Elution Buffer を加えて 56 ℃、5 分間で溶解する
8、溶出:遠心して溶出する
図 3、高い再現性で細胞と血液から高分子ゲノム DNA を精製
HEK 293 細胞(1 x 106 cells)とヒト新鮮血(500 ul)から推奨標準プロトコールに従ってゲノム DNA を精製した結果、サンプル間で効率、精製度に違いはほとんどなく、再現性が高く精製できることが示された。また溶解中の攪拌速度を変えたところ、低速度(300 RPM)では非常に高い分子量のゲノム DNA が、標準速度(2,000 RPM)では 50-250 bpのゲノム DNA が精製された。サンプル種と攪拌速度をゲル上部、量と収量、純度を下部に示す。精製 DNA 500 ng を PFGE に供した(1% アガロースゲル、6 V / cm、13 ℃ で 20 時間、BioRad CHEF-DR III システム、switch time は 0.5〜94 秒)。マーカー(M)は Lambda PFG Ladder(NEB#N0341)を使用。
図 4、溶解中の攪拌速度によりゲノムサイズを調整可能
HEK 293 細胞(1 x 106 cells)とヒト新鮮血(500 ul)から、溶解中の攪拌速度を変えてゲノム DNA を精製した結果、攪拌速度の調整によりゲノムサイズを調整できることが示された。サンプル種をゲル上部、量と収量、純度を下部に示す。精製DNA(細胞由来:500 ng、血液由来:650 ng)を PFGE に供した(1% アガロースゲル、6 V / cm、13 ℃ で 20 時間、BioRad CHEF-DR III システム、switch time は 0.5〜94 秒)。マーカー(M)は Lambda PFG Ladder(NEB#N0341)を使用。
図 5、サンプル量と精製 DNA 量は高い相関性を示す
精製に用いた HEK293 細胞とヒト新鮮血の初期量と、精製された DNA 量をプロットしたところ、サンプル量と精製 DNA 量が高い相関性を示すことが示された。血液は白血球数の異なるドナーの新鮮血を使用したが、どちらの場合も100 µl ~ 2,000 µlの範囲において、 サンプル量と精製DNA量で直線性が示された。それぞれの実験において、同じサンプルを希釈することで 5 点の初期量を作成、5 x 105 以下の細胞および 500 µl 未満の血液サンプルは低投入サンプルの推奨量を使用して、標準プロトコールで精製した(攪拌速度:2,000 RPM)。
表 2、Oxford Nanopore でのシーケンス例
HEK 293 細胞 1 x 106 cells |
ヒト 全血 500 ul |
マウス 腎臓 10 mg |
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使用キット |
T3050 | T3050 | T3060 |
Mean read length (bp) | 21,339 | 21,523 | 27,121 |
Mean read quality | 12.8 | 13.4 | 13 |
Median read length (bp) | 10,388 | 10,130 | 23,150 |
Median read quality | 13.2 | 13.9 | 13.5 |
Number of reads | 377,687 | 538,090 | 164,000 |
Read length N50 (bp) | 45,432 | 46,542 | 44,631 |
Total bases | 8059414490 (8.1 Gb) |
11581090785 (11.6 Gb) |
4447789727 (4.4 Gb) |
各検体からMonarch でゲノムDNA を精製、NEBNext® Companion Module for Oxford Nanopore Technologies Ligation Sequencing (NEB #E7180)でライブラリー調製、GridION Mk1(LSK109 kit, FLO-MIN106D flow cell)でシーケンス(最大48 時間)。
プロトコール
ガイドライン & FAQ
・ガイドライン
・目的の DNA サイズを精製するための溶解中の攪拌速度 (英語)
・パルスフィールド電気泳動に HMW DNA をローディングするときの注意 (英語)
・動画 | ||
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Monarch ゲノム精製キット (細胞 & 血液) の原理とワークフロー使い方 日本語字幕付き |
Monarch ゲノム精製キットの紹介 英語、Webinar (オンデマンド) |
キット内容
キット内容:
・Monarch gDNA Nuclei Prep Buffer
・Monarch gDNA Nuclei Lysis Buffer
・Monarch Precipitation Enhancer
・Monarch gDNA Elution Buffer II
・Proteinase K, Molecular Biology Grade
*各構成品は単品購入可能です。キット構成品とは容量が異なる場合があります。
保存温度:
室温(未開封時)。
ただし開封後、以下の構成品は冷蔵もしくは冷凍保存する。
・Monarch RBC Lysis Buffer : 4 ℃
・Monarch RNase A : -20 ℃
・Proteinase K, Molecular Biology Grade : -20 ℃