Monarch HMW DNA Extraction Kit for Tissue
カタログ番号 |
サイズ |
濃度 |
価格 |
保存温度 |
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T3060S | 5 preps | ¥14,400 | 室温 | |
T3060L | 50 preps | ¥85,200 | 室温 |
製品カテゴリ>グループ
- 核酸精製キット>ゲノムDNA精製
備考
- 備考:価格改定 (2023年4月1日) キット内の構成品の一部は開封後4C/-20Cで保管
特徴
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高分子ゲノム DNA精製キット(組織、酵母、バクテリア等用) | 培養細胞&血液用キットも販売中 |
特長 | |
・様々な組織、生物(表 1) からゲノム DNA を精製 | ![]() |
・軟組織とバクテリアの場合、メガベース(Mb)の DNA を単離可能 | |
・溶解中の攪拌速度を調整するだけで DNA サイズを調整(サンプルによる) | |
・簡単・迅速(組織とバクテリアの場合、90 分) | |
・高純度でインタクトな DNA を高収量で精製 | |
・RNase A と Proteinase K、マイクロチューブ乳棒が添付 | 特殊なガラスビーズで精製 |
・ロングリード・シーケンスのインプット DNA 調製に最適 | |
サンプルリクエスト受付中 |
Monarch HMW DNA Extraction Kit for Tissue は、様々な組織やバクテリア、酵母、昆虫、両生類などから高分子(High Molecular Weight、HMW)のインタクトなゲノム DNA を精製するためのキットである。サンプルによってプロトコールが最適化されている。
・組織:マイクロチューブ乳棒で攪拌して Proteinase K で消化、続いてタンパク質除去ステップとガラスビーズ表面への DNA 沈殿をおこなう。
・バクテリア:細菌の細胞壁を効率的に溶解するためにリゾチームを利用、続いて Proteinase K 消化、タンパク質除去ステップとガラスビーズ表面への DNA 沈殿を行う。
精製 DNA サイズは、標準プロトコールでは 50〜500 kbの範囲、軟組織およびバクテリアの場合、攪拌速度を低くすることで Mb レベルとなる。Lysis Buffer には RNase A が含まれているため RNA をほぼ完全に除去することができ、高純度かつ高収率でゲノム DNA を精製できる。組織やバクテリアの場合、90 分で精製が完了する。標準的な精製度は以下のとおり。
・組織:A260/280 = 1.8 - 1.9、A260/230 = 2.1 - 2.5
・バクテリア: A260/280 = 1.8 - 1.9、A260/230 = 2.1 - 2.2
本キットで精製した HMW DNA は、ロングリード・シーケンシング(Oxford Nanopore Technologies® および Pacific Biosciences®)、光学マッピング(Bionano Genomics®)、リンクリードゲノムアセンブリなど、より長いサイズのゲノムを必要とするアプリケーションに適している。
表 1、実証サンプル例 | ||||
組織(哺乳類)* | バクテリア | 両生類 | 酵母 | 昆虫 |
・マウス 脳 | ・Escherichia coli | ・アフリカツメガエル | ・S. cerevisiae | ・ネッタイシマカ |
・マウス 肝臓 | (グラム陽性) | (Xenopus laevis) | (A. aegypti) | |
・マウス 筋肉 | ・Bacillus cereus | |||
・マウス 腎臓 | (グラム陰性) | |||
・マウス 尾 | ・Micrococcus leuteus | |||
・マウス 耳 | (グラム陽性) | |||
・ラット 腎臓 | 収量データ詳細 | |||
* フレッシュおよび凍結サンプルの両方で実証 |
図 1、組織からのゲノムDNA精製ワークフロー
1、ホモジェナイズ:キット付属の乳棒で破砕する。ローター式攪拌でも良い。
2、溶解:Proteinase K と Lysis Buffer を添加して 56 ℃ で 45 分間、攪拌する。RNase A を添加して 10 分間攪拌する。
3、分離:ゲノム DNA とタンパク質の分離
4、凝集:ビーズ等を加えてゲノム DNA を凝集、ビーズ上に捕捉する
5、洗浄:Wash Buffer で 2 回洗浄する
6、溶解:Elution Buffer を加えて 56 ℃、5 分間で溶解する
7、溶出:遠心して溶出する
図 2、様々なサンプルで高分子ゲノム DNA を精製
各種サンプルから推奨標準プロトコールに従って(2,000 rpm で攪拌)ゲノム DNA を精製したところ(S.cerevisiae は酵母専用プロトコールを使用)、高純度で高分子のゲノム DNA が精製されたことが示された。サンプル種をゲル上部、量と収量、純度を下部に示す。精製 DNA 500 ng を PFGE に供した(1% アガロースゲル、6 V / cm、13 ℃ で 20 時間、BioRad CHEF-DR III システム、switch time は 0.5〜94 秒)。マーカー(M)はLambda PFG Ladder(NEB#N0341)を使用。
図 3、溶解中の攪拌速度によりゲノムサイズを調整可能
マウス腎臓(10 mg、A)と大腸菌(1 x 109 cells、B)を用いて、溶解中の攪拌速度を変えてゲノム DNA を精製した結果、攪拌速度の調整によりゲノムサイズを調整できることが示された。サンプル種をゲル上部、量と収量、純度を下部に示す。精製 DNA 300 ng(腎臓由来 DNA)と500 ng(大腸菌由来 DNA)を PFGE に供した(1% アガロースゲル、6 V / cm、13 ℃ で 20 時間、角度 120°、BioRad CHEF-DR III システム、switch time は 0.5〜94 秒)。マーカー(M)はLambda PFG Ladder(NEB#N0341)を使用。
表 2、Oxford Nanopore でのシーケンス例
HEK 293 細胞 1 x 106 cells |
ヒト 全血 500 ul |
マウス 腎臓 10 mg |
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使用キット |
T3050 | T3050 | T3060 |
Mean read length (bp) | 21,339 | 21,523 | 27,121 |
Mean read quality | 12.8 | 13.4 | 13 |
Median read length (bp) | 10,388 | 10,130 | 23,150 |
Median read quality | 13.2 | 13.9 | 13.5 |
Number of reads | 377,687 | 538,090 | 164,000 |
Read length N50 (bp) | 45,432 | 46,542 | 44,631 |
Total bases | 8059414490 (8.1 Gb) |
11581090785 (11.6 Gb) |
4447789727 (4.4 Gb) |
各検体からMonarch でゲノムDNA を精製、NEBNext® Companion Module for Oxford Nanopore Technologies Ligation Sequencing (NEB #E7180)でライブラリー調製、GridION Mk1(LSK109 kit, FLO-MIN106D flow cell)でシーケンス(最大48 時間)。
プロトコール
ガイドライン & FAQ
・ガイドライン
・目的の DNA サイズを精製するための溶解中の攪拌速度 (英語)
・パルスフィールド電気泳動に HMW DNA をローディングするときの注意 (英語)
・動画 | ||
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Monarch ゲノム精製キット (細胞 & 血液) の原理とワークフロー 日本語字幕付き |
Monarch ゲノム精製キットの紹介 英語、Webinar (オンデマンド) |
キット内容
・Monarch HMW gDNA Tissue Lysis Buffer
・Monarch Protein Separation Solution
・Proteinase K, Molecular Biology Grade
・Monarch gDNA Elution Buffer II
*各構成品は単品購入可能です。キット構成品とは容量が異なる場合があります。
保存温度:
室温(未開封時)。
ただし開封後、以下の構成品は冷蔵もしくは冷凍保存する。
・Monarch RNase A : -20 ℃
・Proteinase K, Molecular Biology Grade : -20 ℃